木村尚研究室のブログ

北海道科学大学(2014年4月に北海道工業大学から改名)の工学部・電気電子工学科および北方地域社会研究所(RINC)の木村尚仁研究室のブログです。

2019/09/14 ひらめき☆ときめき サイエンス 『デジタルアートモノづくり講座 ~ マイコンでオリジナルの電子楽器を作ろう ~』を開催しました。

科研費による研究成果の若者への社会還元・普及のため,日本学術振興会が行っている事業「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」に応募し,採択されたテーマ,

デジタルアートモノづくり講座
 ~ マイコンでオリジナルの電子楽器を作ろう ~

を2019年9月14日(土),北海道科学大学にて開催しました。
 

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この講座では,純粋な知的好奇心を持つ年代である小学校高学年の子供たちを対象に,その次の段階として,科学技術やモノづくりについてのより深い理解へと進んでいく橋渡しを行うことをねらいとしました。そのために我々が科研費研究で取り組んでいる,人とデジタル情報を結ぶ「フィジカルプログラミング」をベースとして,人の動作を音と光で表現する電子楽器「フォトミン」(テルミンの光利用版)を自作することで,これからの社会におけるイノベーションを担う人材育成を行う上で重要とされる「STEAM教育」(Science 科学,Technology 技術,Engineering 工学,Art アート,Mathematics 数学)を念頭に置き,フィジカルプログラミングを通して科学,技術,工学,アート,数学を総合的に経験し学ぶ機会を提供します。これにより,物理世界とデジタル世界を結ぶことの楽しさと科学的意義を体感,理解してもらうことをめざしました。
ひらめき☆ときめきサイエンスには以前,機械工学科の竹澤先生の講座のお手伝いを何度かさせて頂いておりましたが,自分が代表となっての実施は一昨年の『デジタルモノづくり入門 ~LEDミニランプ作り&コントロールプログラミング~』に続いて2回目です。


今回の企画・運営スタッフ,教員は私を含め工学部  電気電子工学科から2名,未来デザイン学部 人間社会学科から1名,全学共通教育部から1名。事務職員は教育研究推進課・研究推進係から2名,学生は電気電子工学科の1年生1名,3年生2名,4年生8名で担当しました。
 
当日,スタッフは8:30に集合。全員で会場設営,準備作業,参加車の誘導待機を行い,9:15から受付開始です。10:00,会場である本学F棟の電気電子工学科のデジタル第2実験室(F304実験室)に受講生の皆さん約20人が揃ったところで,まずは全学共通教育部の塚越先生の名司会による開講式でスタート。受講の小学生たち,同行の保護者の方々に対して,私から挨拶と講座の概要説明,また科研費制度についての解説を行いました。
続いてアイスブレイクを兼ねて,各テーブルごとに学生スタッフを交えて,自分の好きな色の話を含めて自己紹介をしてもらいました。
 

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そしていよいよ本格的な講座の開始。私からクリッカーも使いながらイントロダクションのミニ講義音や圧電素子の簡単な紹介の後,渡部先生によるLEDや光の科学について,三原色のランプを使ったデモ実験も含めた講義を行いました。


2019/09/14 ひらめき☆ときめき サイエンス 工作作業

 

続いて「フォトミン」の内のLEDミニランプ部分の作製開始。この実験室の「新・まねびシステム」を活用し,作製手順の説明にしたがって,ミニブレッドボードにマジックで目印を付けながら,部品を配置していきます。そして,お湯で柔らかくなる白い粘土「イロプラ」を使ってのランプの形作り。これをミニブレッドボードの所定の位置に差し込み,まずはLEDミニランプ完成!
3つのスイッチの組み合わせで様々な色に光る様子に,子供たちから喜びの表情が溢れました。

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ここで一旦お昼の休憩になります。F棟の別室で皆で一緒に雑談を楽しみながら昼食を取りました。でもここからが更に難しい作業に入ります。実験室に戻り,講座再開です。

午後はプログラミングに取り組んでいきます。まずは今回使うフィジカルコンピューティング用マイコン micro:bit の基本的な使い方を学びます。
フィジカルコンピューティング用マイコンと言えば,Arduino や Raspberry Pi が代表格。IchigoJam も有名です。しかし当研究室ではこのような講座で一時的に多数の受講生と作業を行う場合,以前は Mbed をよく使っていました。アカウントさえ作っておけば,ブラウザでインターネットに繋げられるパソコンだけで用が足りるため圧倒的に使いやすかったからです。言語もほぼオリジナルのC言語に近いので。

しかし最近は英国BBCが開発して国内の全小学校に無償配布され,現在は全世界で使われるようになっている,この micro:bit を好んで使用しています。micro:bit は,Scratchと同じようにブロックを組み合わせてプログラムを作ることができます。また何と言っても各種センサーがあらかじめ内蔵されています。プログラミング作業に入るまでの敷居が低く,スムーズに作成に取り掛かることができるのは非常に大きな魅力です。

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まずは micro:bit 本体のLEDに簡単なアイコンを表示するプログラムを一緒に作って肩慣らし。ここまでは大変スムーズに進行してきました。

そしていよいよフォトミンの制御プログラムの作成に取り掛かります。光量により電気抵抗が変化するCdSセルに手をかざすと,音程と色が変化するという仕様です。

私から説明をしながら,またウチの学生スタッフたちがサポートしながら,一緒にプログラム作成を進めます。

ただ,ここに大きな問題が。なるべく作業をシンプルにしようと,明るさ/暗さについてのセンサーからの入力値と音程を関連付ける式を一行にまとめました。むしろそれで式の中の順序が複雑になり,間違いの元となってしまいました。

また,ブレッドボードの接続に使ったジャンパー線に中に接続不良のものが少なからずあり,交換が必要なケースもありました。

終了予定時間を若干過ぎてしまい,我々側としては上記のような反省点はありましたが,最後には全員が自分のフォトミンを完成させることができました。

 

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2019/09/14 ひらめき☆ときめき サイエンス フォトミン動作

 

そして締めくくり,塚越先生の司会で閉講式開催。
私から講評として,参加してれた皆さん全員が熱心に楽しみながらモノづくりとプログラミングに取り組んでくれて,見事に完成してくれましたので,そのことを感謝を込めて述べさせてもらいました。

そして恒例の学長名による受講生全員への「未来博士号」の授与を行いました。

 

熱心な態度で参加頂いた小学生の皆さん,ご同行頂いた保護者の皆さんのお陰で無事終了することができました。また実施に協力してくれた教職員の皆さん,そしてもちろん熱心にサポートにあたってくれたウチの学生諸君にも心より感謝致します。

参加者アンケートや学生スタッフのアンケートの集計結果については,近日中にご紹介致します。

 

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