木村尚仁研究室のブログ

木村尚仁研究室(物理的デジタル情報研究室)[北海道科学大学の工学部・電気電子工学科および北方地域社会研究所(RINC)]のブログです。

「“科学”の仕事を学ぶ講座 in 旭川」を実施しました

2019/03/24(日),
 北海道科学大学公開講座
 「"科学"の仕事を学ぶ講座 in 旭川
を,旭川市市民活動交流センター CoCoDeを会場に実施しました。

 

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これは,会場の地元地域で科学的専門性を活かして技術者として活躍している本学卒業生から,将来のことを真剣に考え始めると思われる年頃の子供達に実際の仕事について直接語って頂き,さらにその仕事に関連する科学モノづくり体験に取り組んでもらって理解を深める……というう機会を提供したいという思いから実施の検討を進めてきた企画です。

「科学」の仕事というと,子供たちにはいわゆる科学者がまず思い浮かぶかもしれません。でもそれだけではなく,もっと身近にもそのような仕事はあるのだ……ということを知ってもらうための取り組みです。

またこれを実施するために,アシスタントスタッフとして学生にも参加してもらえば,学生たちにもその仕事のことを理解して貰えますし,また年代を越えた交流の機会を作ることもできます。

 

このように狙いが盛りだくさんの企画ですが,最初に「やりたい」と思ったのは,もう3〜4年前だったような気がします。うろ覚えですが。
しかしなかなかタイミングが合わず,意欲はあるものの実現できないでいたのですが,今年度,しかも年度が終わるギリギリで何とか実施することができました。

 

今回は旭川市にある東芝ホクト電子株式会社様にご協力頂き,同社で製品開発を行っている田古嶋 直樹氏に仕事解説のミニ講演をお引き受け頂きました。田古嶋氏は北海道工業大学(現・北海道科学大学)の応用電子工学科3期生で,大学院博士後期課程を修了後からこの会社にご勤務されています。なお,応用電子工学科は現在の電気電子工学科のルーツ学科のひとつです。


今回の講座の実施概要は次のとおりです。

対象 旭川市内の小学生〜中学生

日時 3月24日(日),10:00 〜 12:00過ぎ
場所 旭川市市民活動交流センター CoCoDe
   (旭川市宮前1条3丁目3番30号)
主催 北海道科学大学
共催 雪嶺会(北海道科学大学同窓会)
協力 東芝ホクト電子株式会社
後援 旭川市教育委員会,電気学会北海道支部,電子情報通信学会北海道支部
   応用物理学会北海道支部,北海道工学教育協会,産学連携学会北海道支部
実施担当 北海道科学大学 木村(尚)研究室
     (北方地域社会研究所 地域人材育成グループ および 
      工学部 電気電子工学科)

実施内容
<第1部> 技術開発の仕事紹介ミニ講義
      講師:田古嶋 直樹氏(東芝ホクト電子株式会社)

<第2部> LEDミニランプ工作&プログラミング講座
      講師:木村 尚仁教授(北海道科学大学

 

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さて実施前日 2019年3月13日(土),今回アシスタントスタッフを務めてくれた電気電子工学科の現3年生,河又君,髙嶋君,森君と旭川入りし,田古嶋氏と打ち合わせしながら先輩・後輩の交流を深めてもらいました。

翌14日(日),9:00に会場であるCoCoDeの会議・研修室に集合し全員で設営・準備作業,10:00に講座開始。今回の参加者は小学生4名,中学生2名の計6名です。

第一部では田古嶋氏による技術開発の仕事紹介について約30分弱のミニ講演。参加の子供たちの参考にと大変貴重なリアルなお話をして頂いたために,講演の内容をここでは紹介できないのがちょっと残念です。

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第二部の前半,これはいまや当研究室の科学モノづくり講座の定番ですが,ミニブレッド上に部品を配置し,RGB3色LEDを用いたミニLEDランプを作製。例によって,イロプラを使ってそれぞれ自分の好きな形を作りました。
工作開始から約45分程度で,全員見事に完成しました。

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続いて後半,プログラミングを行っていきます。今回使用するマイコンボードの「micro:bit」は,プログラミング環境をパソコンにインストールする必要がなく,一般的なブラウザで専用サイトにアクセスするだけで直ぐにプログラム作成が可能です。今回の会場ではWi-Fiが自由に使えるので,準備も大変楽でした。

micro:bitのプログラムは,Scratchと同じようにPCの画面上でブロックを組み合わせて作るタイプです。私の実際の作業の様子をプロジェクタに写して,これを真似て貰いながら皆で一緒にプログラミングを進めます。まずは簡単な使い方の練習として,micro:bitのLEDに好きな形を表示させます。そしていよいよ自分で作ったミニLEDランプに接続。緑,青,赤の色が段々と点灯して色が変化し,最後には白になっていく制御プログラムを作成しました。プログラミング開始から50分程度で見事に全員が完成。自分が作ったミニLEDランプが,自分が作ったプログラムで綺麗に光りながら色を変えていく様子を楽しみました。

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今回の講座は参加してくれた児童・生徒の皆さん,またご協力頂いた皆さんのお陰で大成功となりました。ありがとうございました。

この結果を受けて,私自身もこの企画の意義に確信を持てたので,これをモデルケースに同窓会と本学の協働の取り組みとしてシリーズ化し,他の地域でもその地に在住の同窓生の方にご協力頂き,分野に限らず開催していきたいと考えています。