木村尚仁研究室のブログ

木村尚仁研究室(物理的デジタル情報研究室)[北海道科学大学の工学部・電気電子工学科および北方地域社会研究所(RINC)]のブログです。

2021/11/13 ひらめき☆ときめき サイエンス 『モノづくり&プログラミングワークショップ 〜 オリジナル体感ゲームを作ろう 〜』を開催しました

※ 2021/11/22 参加者アンケートの集計結果を記事の最後に追記しました。

 

科学研究費による研究成果の若者への社会還元・普及のため,日本学術振興会が行っている事業「ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI」に応募し,採択されたテーマ,

『モノづくり&プログラミングワークショップ
  〜 オリジナル体感ゲームを作ろう 〜』

を2021年11月13日(土),北海道科学大学にて実施しました。
これは本来,9/4(土)に開催する予定だったのですが,ちょうど新型コロナウイルスの感染がまた大きく広がり始め,緊急事態宣言が出されたために延期されての実施になります。やっと集まることができて良かったのですが,もちろん感染防止には充分配慮しての実施です。

 

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この講座では純粋な好奇心で楽しむ段階を経て,その先の進んだ理解と体験を欲するようになる中学生の子供たちに対して,科学技術やモノづくり のより深い理解へと進む橋渡しを行うことをめざしました。単純に用意された手順に沿って一緒にものを作るのではなく,自由な発想でアイディアを具体 化することで,モノづくりを楽しみながら学んでいく,創造的な学び=クリエィティブ・ラーニングを経験してもらうことがねらいです。 

「STEAM教育」(Science 科学,Technology 技術,Engineering 工学,Art アート,Mathematics 数学)を念頭に置き,フィジカルプログラミングを通して,特に物理世界とデジタル世界を結ぶことの楽しさと科学的意義を体感,理解してもらうこともめざしました。

ちなみにひらめき☆ときめきサイエンスに自分が代表となっての実施は,2017年度の『デジタルモノづくり入門 ~LEDミニランプ作り&コントロールプログラミング~』,2019年度の『デジタルアートモノづくり講座 ~ マイコンでオリジナルの電子楽器を作ろう ~』に続いて3回目になります。
私達はこれ以外にもモノづくりやプログラミングの講座,ワークショップを実施してきていますが,今回はこれまでとはかなり異なる新しい内容,やり方でのワークショップです。

今回の企画・運営スタッフ,教員は私を含め工学部  電気電子工学科から2名,短大部自動車工学科から1名,全学共通教育部から1名。事務職員は地域連携・広報課から2名,学生は電気電子工学科の2年生3名(河野君,松井君,船田君),3年生2名(山中君,真野君)で担当しました。

 

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当日,スタッフは8:45頃に集合。全員で会場設営,準備作業,参加車の誘導待機を行い,9:00頃から受付開始。10:00,会場である本学F棟の電気電子工学科のデジタル第2実験室(F314実験室)に受講生の皆さん9人が揃ったところで,まずは全学共通教育部の塚越先生の名司会による開講式でスタート。受講の中学生たち,同行の保護者の方々に対して,私から挨拶と講座の概要説明,また科研費制度についての解説を行いました。続いて小島先生による,いつもの明るく元気いっぱいのハイテンションで皆をノセていく進行で,アイスブレイクを兼ねての自己紹介をしてもらいました。

そしていよいよ本格的な内容に入っていきます。まずはScratchの基本操作について,実際に皆が自分で操作をしながら,ごく簡単なクイズゲームを実際に作りながら学びます。本当はここで,Scratchとmicro:bitの連携させての使い方の基本まで進む予定だったのですが,すでにここでかなりの時間押し。やはりこれまでとは大きく異る内容と構成にしたため,時間の読みがかなり狂ってしまいました。

 

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しかしそこは落ち着いて臨機応変に急遽予定を変更。ここで使い方の基本演習は一旦区切り,5分の休憩を挟んで「センサーとコンピューティングの科学」のレクチャーに進みました。ここではコンピュータ,プログラム,センサーとはそもそも何かについて,簡潔に学んで行きます。

ついで Microbit Moreを用いたScratchとmicro:bitの連携方法のレクチャーと,実際の簡単な使い方を一緒に体験。ここではRGB三色LEDを使い,micro:bit内蔵の加速度センサーにより傾けることで色が変化する仕組みの簡単な電子工作を行い,制御プログラムの解説をしつつ,実際に作ってもらいました。そしてまた,これを用いた実際のゲーム例を紹介しました。

若干の休憩の後,モノづくり用材料として用意しておいた紙,テープ類,様々な百均グッズなどを自由に使って,自分自身の発想で自由にオリジナルゲームを作って行きます。

ここで昼休憩。小島先生のガイドで電気電子工学科の研究紹介,施設見学を行いながら昼食会場へ。本来であればここで歓談しながら食事を楽しむところなのですが,感染対策のためちょっと我慢して黙食です。

 

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昼食後はオリジナルゲームの完成に向けて作製作業再開。正直なところ,皆さんどれくらい乗ってくれるか心配もしていたのですが,全くの杞憂でした。全員がぞれぞれ実に楽しみながら,素晴らしい発想で作品を作ってくれました。
作製時間の最後には参加者全員で順番に,自分の作品の紹介を行ってもらいました。

時間が限られているので完成しきれなかった人もいますが,自宅に帰ってからさらに完成に向けて頑張ってくれると確信できました。そのためmicro:bit(ちなみにバージョン2)はもちろん,使いそうな材料や参考書「Scratchではじめよう! プログラミング入門 Scratch 3.0版」,またここまで作ったプログラムはUSBメモリに保存して持ち帰ってもらいます。

 

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そして締めくくり,塚越先生の司会で修了式開催。恒例の学長名による受講生全員への「未来博士号」の授与を行いました。

熱心な姿勢で楽しみながら参加頂いた中学生の皆さんのお陰で,このワークショップは無事終了することができました。また実施に協力してくれた教職員の皆さん,そしてもちろん真摯に明るくサポートにあたってくれたウチの学生諸君に心より感謝致します。

 

(2021/11/22 追記)なお,参加者アンケートの集計結果は次のとおりです。

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