私達がセンサーグローブ開発で協力してきている国際スポーツ雪かき選手権(スポ雪)の活動をベースに,今年度新たに「地域いきいきプロジェクト」が発足しました。このプロジェクトは小樽市における地域コミュニティの現状の改善をめざし,大学生による子どもたちを対象とするキャリア教育や,地域の絆のためのイベントや行事を様々な町会や学校と協力して企画・運営することで,多くの世代が関わりを持って「いきいき」と生活できる持続可能な地域コミュニティの構築に貢献することをめざしています。このプロジェクトは,国際スポーツ雪かき選手権の実行委員長である松代さんが顧問を務めている,札幌学院大学まちおこし研究会などを中心として活動を展開しています。
今回のサイエンスジュニアクラブはその活動の一環。国際雪かきスポーツ選手権で使用するセンサーグローブの回路基板作りを体験してもらい,スポ雪,電子工作,科学への関心を深めてもらおうという企画です。
日時 2024年11月23日(土)
14:00 〜 16:00
場所 小樽入船六三町会会館
(小樽市入船2丁目23−16)
対象 小樽市在住の小・中・高校生
今日は科学好き女子と,科学好きの入口にいる女子の2名が参加してくれました。
開催前日,今回のアシスタントスタッフを務めてくれる電気電子工学科2年の杉原君,1年の佐々木君と打ち合わせと準備作業。当日昼過ぎに手稲駅で落ち合って会場に向かいます。
14:00,代表の松代さんの挨拶で開会。次いで私がセンサーグローブ開発の経緯,そしてセンサーグローブの原理と仕組みについて,圧電(感圧)センサーのデモ実験を交えながら解説しました。
そしてはんだ付けの基本と手順のポイント,注意事項について説明し,まずははんだ付けに慣れてもらうために,簡単なICオルゴールキットの作製を行いました。杉原君と佐々木君が1対1で指導,サポートしながら工作を進めます。参加者の生徒さん,お二人とも技術の授業でラジオを作った経験があるとのことで,実に手際よく,スムーズにはんだ付けを進めてくれました。15分くらいで見事完成! 「ハッピーバースデー」の曲がICから流れてきました。
若干の休憩をはさみ後半に入ります。昨年度のゼミ生が残していってくれた当研究室の財産,センサーグローブ2023年度版の回路基板データを元に再発注して作製。これに部品を取り付けていきます。ただし時間は限られているので,今回は主要部品をいくつ5個はんだ付けします。
まずは10 Ωの抵抗を2個取り付けます。この基板はキット用のものとは違って,ややはんだ付けが難しい。でも彼女らは丁寧に手際よく作業してくれました。
ここで私から,デモ実験を行いながら豆電球とLEDの発光の原理の違いと,そのためにLEDを取り付けるときには向きを間違えてはいけないことなどを説明。そして再びはんだ付けで,赤と青のLEDを取り付けます。これらも見事に完了。最後にもうひとつだけ,電解コンデンサもはんだ付けしました。電解コンデンサも向きが大事!
いよいよラスト。参加者のお二人に完成品のセンサーグローブを装着してもらい,雪かき計測体験を行ってもらいました。ただし今回は屋内での雪かき体験イベント用に,スポ雪実行委員会の札幌学院大学の学生さんたちが紙とプラスチックボールで作った模擬雪を使います。
今回はプログラムを調整して,計測を本番とは違って1分にしましたが,無事計測できることを体験してもらいました。また札幌学院大のスタッフの皆さんにも,装着や計測開始の手順を確認してもらうことができました。
最後に松代さんから締めの挨拶を頂いて無事修了。大変楽しんで頂き,科学とテクノロジーへの関心をさらに深めてくれたようで,何よりでした!
参加者の皆さん,引率して頂いた先生,スタッフの皆さん,ありがとうございました。