前期に開講している電気電子工学科3年生対象の科目「ビジネススキルⅠ」の後半では,「業界研究セミナー」を実施しています。当学科から就職する主な業界で,当学科と繋がりが強い企業の方々に来て頂きどのような業界なのか,またその業界で技術者はどのような仕事をするのかを直に語って頂いています。
昨年度,この業界研究セミナーの特別編として「本学卒業生による“しくじり先生”」を開催しました。これから本格的な就職活動への取り組みが始まっていく3年生に向けて,就職をより身近なこととして実感してもらうことをめざして,先輩方の学生生活,就職活動やお仕事についての失敗談と,それをどう乗り越えたかを語ってもらうというものです。
これがたいへん好評だったので,今年度も実施することにしました。
今回は,昨年度に引き続き(株)TMEICの今野さん(2018年度卒,矢神ゼミ),また新しく(株)朋栄の髙嶋さん(2019年度卒,木村ゼミ),旭日電気工業(株)の小林さん(2021年度卒,佐々木ゼミ)のお三方が講師として参加してくださいしました。
昨年度同様,まず木村からの趣旨説明で開始。次いで3名の皆さんからそれぞれ順番に15分程度ずつ,ご自分の自己紹介,学生生活,就職活動・社会に出てからのことを失敗事例を中心にスライドを使いながら語って頂きました。最後に3名に教室前に座って頂き,トークライブとして質疑応答を実施。寄せられた多くの質問に対して回答してもらいました。最後にお三方から,後輩へのメッセージをスピーチして頂き終了。今回も実りのある90分間となりました。
ご協力頂いた卒業生の皆様,それを許可してくださった企業の皆様,また熱心に聴講,質疑応答に参加してくれた受講学生諸君,ありがとうございました。
受講学生の皆さんの感想から,いくつかの例を抜粋して記載します。
なお提出者全員の感想について,AIデータマイニングのサービス(https://textmining.userlocal.jp/)を使ってワードクラウド分析した例を下図に示します。
【受講学生感想例抜粋】
- 年齢の近い先輩方の大学生時代の就職活動のことや、就職してからのことをしくじり先生という形で失敗談を交えながらお話を聞けたのがとても参考になりました。まだあまり面接時のイメージがあまり思い浮かんでいなかったり、就活の進め方がいまのような形でいいのか悩んでいたので、今日のような機会で面接時の様子や木になる企業の調べ方について知ることが出来たのは今後にとって大きい強みになると思いました。
また、社会人になってからの心構えという点で空返事などはせず自分の意見をはっきり伝え、分からないことはしっかり聞くという事は大学生・社会人問わず人間としても重要なことだと思いました。
質疑応答では、就職活動だけでなく大学生活(ゼミ選びなど)や会社での働き方(上司との関係やトラブルの対処など)について知ることができたのが自分の今の大学生活と照らし合わせて今後の進路に向けて考えることができたのでとても良い時間となりました。ありがとうございました。 - 今回の業界研究セミナー特別編「先輩による“しくじり先生”」大変面白かったです。ありがとうございます。例年高評価と先生が言っていたので期待していたのですが期待通りいいものでした。同じ大学で学科も同じ人から意見を聞けるのはインターネットで探してもなかなかないのかなと思いました。今回の講義を糧に就活を頑張ろうと思います。
- 今回の講演会では、3名の卒業生が就活や仕事上での失敗談を説明してくださった。主に就活する中で必要であることと学生の内にしておいた方がいいことなどをスライドと共に教えてもらったことがためになったと感じた。また共通点として、どの先輩のパワーポイントの資料と発表の仕方が人に見やすいように作られており、資料と説明の割合などが参考にもなった。今回の講演会を通して、就職活動も近づいてきているため学生のうちにしておいた方がいいことなどを今のうちに行動して行きたいと思う。
- 先輩方の失敗はとても参考になった。
会社の事も知れたし、どんな失敗をしてしまったのかも大事だと思った
また、就職で大事なことも知ることが出来てよかった。
空返事はよくないという事と、相手にハッキリと自分の事を伝えるのは大事と思い、学生のうちにやっておくべきことを今日からでも出来る範囲で実践していきたいなと思いました。
また、会社の選び方や調べ方として中途採用もチェックするのは意外でした。 - 先輩が具体的な失敗例を交えながら話してくださったことで、リアルな就活の難しさや現実感を感じることができました。例えば、志望企業に対する準備不足で面接がうまくいかなかった経験など、自分が今後直面する可能性のある課題を具体的にイメージすることができました。
先輩が失敗を乗り越え、最終的に成功を掴んだ話を聞くことで、失敗は決して終わりではなく、次へのステップであることを実感しました。失敗を恐れず挑戦し、その過程で得られる教訓を大切にすることの重要性を学びました。先輩の正直な体験談は、自分自身の不安や心配を和らげてくれました。「誰でも失敗することがあるけれど、それを乗り越えて成長できる」というメッセージが、就活に対するモチベーションを高め、勇気をもらうことができました。具体的な失敗例に基づいたアドバイスは非常に実践的で、今後の就活に役立てることができそうです。先輩が、失敗したときに周りの人たちのサポートやアドバイスがどれほど助けになったかを語っていたことから、他者とのコミュニケーションの重要性を再認識しました。就活においても、情報を共有し合い、助け合うことが成功への鍵となることを理解しました。