木村尚仁研究室のブログ

木村尚仁研究室(物理的デジタル情報研究室)[北海道科学大学の工学部・電気電子工学科および北方地域社会研究所(RINC)]のブログです。

2020/02/08(土) 地域共創プログラミングワークショップ 第1ステージ の3つ目,<札幌会場> を実施しました

昨年12月中に実施した,地域共創プログラミングワークショップ 第1ステージ <網走会場><猿払会場>に引き続き,今回は2020/2/8(土),北海道科学大学電気電子工学科のF314実験室を会場として<札幌会場>を実施しました。これが当ワークショップ第1ステージの締めくくりとなります。

『クラウドキャンパス』プロジェクトは,私達が今年度に正式に活動を開始したもので,北海道全域を仮想的なキャンパスに見立て,北海道一体となって地域の活性化,イノベーションに取り組んでいけるような人材育成に取り組むことをめざしています。このプロジェクトは,本法人の+PITにも採択されたテーマのひとつです。私達がこれまでに実施してきた科学啓発活動の経験と実績をもとにして, STEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)教育をベースとした地域の皆様との「共育」により,誰も取り残さない創造的な学びの場を,ICTを活用しながら道内すべての人に届ける環境整備を進めていきます。

地域共創プログラミングワークショップ」は,このプロジェクトでこれからのモデルケースとなるメインの企画。このワークショップは第1ステージと第2ステージの2部構成。第1ステージでは,道内の各地域において,子供達とその地の魅力をピックアップし,Scratchを使ってそれを紹介するクイズゲームを作ります。
第2ステージでは,各地を遠隔コミュニケーションシステムを使って繋ぎ,リアルタイムでお互いのクイズゲームを紹介しあって交流を行います。

 
今回の参加者は 3年生 1人,4年生 8人,5年生 3人の計12人。アシスタント学生は9名。また小学校の先生方など,3名の方が見学に来てくださいました。
 

9:30に講座開始。まずアイスブレイクとして,子供達とスタッフ全員で輪になって,「札幌(あるいは近郊,道内)で,いま行きたいところ」を良い添えて順番に自己紹介をしていきます。

席に戻って,第1ステージのいつもの講座と同じく,今日のミッションが

『札幌の魅力(みりょく)を
 知ってもらうための
 じぶんオリジナルの
 クイズゲーム作品を作る!』

であることを説明。次いで,現代社会におけるプログラムの役割,プログラミング教育がなぜ必要かについて,彼らに向けて簡単な解説を行いました。
そしていよいよScratchへのサインイン。この一連のワークショップ専用にあらかじめ用意しておいた教育用アカウントを使います。まずはパソコンの基本操作から始め,一緒にパソコンを実際に使いながら,Scratchでの基本的なプログラム作成・実行方法について,スプライト(Scratchでのキャラクターのこと)を様々に動かし,喋らせ,音をつけ,背景を設置するやり方を,実際に作業しながら学んで行きます。その間,スタッフがそれぞれの子の様子を見ながら,手を出しすぎないようにしながらも,しっかりとサポートしていきます。

 

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ここから本番のミッションに取り掛かります。まずはクイズにすることを考えずに,札幌の特長や魅力,「あるある」などを,各自で付箋紙にどんどん書き出してもらいます。
次に,書き出した内からクイズになるネタをピックアップし,問題文と答えの選択肢3つ程度を作成する作業に取り掛かります。あらかじめ配付したワークシートに,問題文,選択肢文用の欄を用意しておき,そこに記入していきます。

そして今日のメインミッション,札幌の魅力を知ってもらうためのクイズゲームの作成に取り掛かります。あらかじめ全体の手順の流れを説明した上で,私の作業の様子をプロジェクタに映しながら,基本的には真似をしてもらいつつ,しかし自分の好きなスプライト(キャラクター)を使って,メインキャラクターが問題を話し(画面上で吹き出しに書く……ということですが),サブキャラクターが正解を含む選択肢を話す。各キャラクターをクリックしたときの反応を,自分の好きなように設定する……というプログラムを作っていきます。

まずは「効果」を入れずにシンプルなベースとなるプログラムを作ります。途中でも実行しながら,ちゃんと動くかどうか確かめながら,作業を進めていきます。
一旦,ベース作品ができあがったことを確認し,その上で効果音,動き,背景を順番に付けていきます。ここでも私が作業をする様子を見せながら,一緒に作っていきますが,中にはどんどん自分で先に進む子も少くありません。

 

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12:00頃にはほぼ全員がゲームクイズプログラム作品を完成。プログラムファイルの保存,共有,スタジオ(自分の作品を共有して,メンバーの皆で共有できるネット上の場所)への登録を行い,またお互いにテーブルを回って見せあって楽しみました。また再び自分の席に戻り,他の人が作った作品を参考に,自分のプログラムのブラッシュアップを行います。今日は,スプライト(キャラクター)をだんだん大きくするのが,トレンドでしたでしょうか。
 

その後,家に帰ってから自分の作品をブラッシュアップしたり,Scratchを楽しむための方法について,保護者の方へのメッセージも添えた資料を渡し,説明を行いました。
また,3/7(土)に予定されている第2ステージの実施概要について説明しました。

最後に記念集合写真を撮って,予定通り 13:00頃に無事終了することができました。

 

今回も網走会場,猿払会場同様,今後に向けてのモデルケースとなる良い機会になりました。参加してくれた小学生の皆さんのアンケートを見ても,ほぼ全員が「とても楽しかった」と回答してくれていました。

参加してくれた小学生の皆さん,ありがとうございました。またアシスタントを務めてくれた9名の学生諸君,お疲れさまでした。

 

この「地域共創プログラミングワークショップ」,次は網走,猿払,札幌を結んでの第2ステージの実施に続きます。さらにまた,このような取り組みは次年度に向けても継続して実施していくつもりです。

皆様,是非応援とご協力を頂けると幸いです。

 

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