木村尚仁研究室のブログ

木村尚仁研究室(物理的デジタル情報研究室)[北海道科学大学の工学部・電気電子工学科および北方地域社会研究所(RINC)]のブログです。

「子どもに自慢したい大人のための科学モノづくり講座」,網走にて開催。

2016年3月20日(日),『子どもに自慢したい大人のための科学モノづくり講座』を,網走市のオホーツク・文化交流施設「エコーセンター2000」にて開催しました。

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これは,網走市まなびすと講座&北海道科学大学公開講座の共催により,電気学会北海道支部電子情報通信学会北海道支部応用物理学会北海道支部からの後援と,また北海道科学大学雪嶺会(同窓会)網走支部からの協力を頂いて開催したものです。

なおこの講座は,北海道科学大学 地域社会創生研究所の研究テーマの柱の一つ,「北海道地域における理系人材育成と啓発活動のための研究」の一環でもあります。

 

開催の趣旨は,大人が楽しみながら理科・科学を学び,その成果を子どもへと伝えることのできる実験・モノづくり講座を開催し,「大人の学び」の機会を創出しようというもの。
今年1月16日に網走で開催した,冬休み教室「くるくる踊るリモコンカーをつくろう」が好評だったこともあって,今度は是非,子供を指導する立場にある大人向けの講座も行いましょうというご提案を頂きました。私自身そのテーマの講座をやりたいとかねがね考えていたことから,話に乗らせてもらい開催の運びとなりました。

講師は私が務め,当ゼミの学生2名(高嶋 信輔君,高橋 諒君)にアシスタントを,また担当者として同行した橋本課長,市教委の方々にも協力してもらっての実施です。そして,雪嶺会網走支部の山本支部長,加藤事務局長にもお手伝いをして頂きました。

前日の3/19(土)には担当者全員で網走に入り,打ち合わせ。また,その日と開催当日の朝に準備と会場設営を行いました。

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開始の40分ほど前からぼちぼち参加者の方々が来場。早く来られた方には,簡単な準備作業を行いながら待って頂きます。今回の参加者は,網走市で理科啓発活動などを行っているボランティアの方などを中心とした15名の皆さん。今後の子ども向け教室の開催計画立案や指導に役立てたいとのことで参加してくださいました。

10:00には全員が集まり,予定通り講座を開始。まずは挨拶,趣旨説明などから。

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次いで本日の工作内容に関連して,半導体,LED,圧電素子(ピエゾ素子)などの科学原理についてPowerPointを使い,子供達に説明する場合のポイントなども含めながら解説を行いました。
その後は早速製作開始。今回の講座では2つのモノを作りますが,最初は「フリフリ発電器」。これは,プラスチックの小容器の底に圧電素子を貼り,2個のLEDをハンダ付けてして接続。容器内にビー玉を入れて閉じるというもの。振ると,ビー玉が圧電素子にぶつかって発電し,LEDが光ります。

工作中は皆さん,楽しみながら大変熱心に見事に取り組んでくれました。アシスタント学生の高嶋君,高橋君も大いに活躍してくれています。
また普段から子供向け教室でご活躍の皆さんだけあって,わからないことをお互いに質問したり,困っている人をサポートするなど,皆さんで自主的に協力しながら作業を進めてくださいました。さすが,頼もしいです!

 

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全員完成したところで,皆でフリフリしてみました。(^_^)v


みんなでフリフリ発電器(網走公開講座2016/03/20)

 

フリフリ発電器の次は,「フォトミン(ミニブレッドボード版)」の作製に取り組みました。これは1919年にロシアで発明された電子楽器 テルミン の,謂わば簡易ひかり版。タイマーICのNE555と,入射光量により電気抵抗が変化するCdS(硫化カドミウム)セルを利用します。ちなみに当研究室で最初のバージョンのフォトミンを作ったのは,2004年頃のことになります。
こちらはハンダ付けは行わず,ブレッドボードを使ったタイプの電子工作としました。

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フォトミン ナノ(簡易版・ミニブレッドボード使用タイプ)

 

全員が見事に完成した後,締めくくりに部品選択のポイント,部品・材料の入手方法(主に使える通販サイトの紹介),子供向けの説明法や資料作成の注意点などの解説を行いました。

また講座の進め方,説明方法,子供達への説明方法などについて若干の意見交換を行い終了。全体で約140分程度の講座となりました。

参加者の皆さんからのアンケートの集計結果は下記の通り。

今回の講座も,参加者の皆さんに満足して頂けたかと受け止めていますが,意見交換,アンケートの中で,問題点や改善点のご指摘を頂き,私としても大いに参考になりました。

改めて講座の内容をブラッシュアップし,網走や他の地域でも同様の講座を是非開催させて頂ければと思っております。

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