木村尚研究室のブログ

北海道科学大学(2014年4月に北海道工業大学から改名)の工学部・電気電子工学科および北方地域社会研究所(RINC)の木村尚仁研究室のブログです。

2019/12/01(日) 地域共創プログラミングワークショップ 第1ステージ <網走会場> を実施しました

※ [2019/12/12]参加児童のアンケート集計結果,一部修正し差し替えました。
※ [2019/12/11]参加児童のアンケート集計結果を追記しました。

  
今年度,私達が正式に活動を開始した『クラウドキャンパス』プロジェクトは,北海道全域を仮想的なキャンパスに見立て,北海道一体となって地域の活性化,イノベーションに取り組んでいけるような人材育成に取り組むことをめざしています。そのために,私達がこれまでに実施してきた科学啓発活動の経験と実績をもとにして, STEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)教育をベースとした地域の皆様との「共育」により,誰も取り残さない創造的な学びの場を,ICTを活用しながら道内すべての人に届ける環境整備を進めていきます。

 
今年度に入ってからこれまで,このプロジェクト推進のための研修や試行的な取り組みを進めてきましたが,いよいよメインの企画として,これからのモデルケースとなる「地域共創プログラミングワークショップ」を開始していきます。

 

このワークショップは第1ステージと第2ステージの2部構成。
第1ステージでは,道内の各地域において,子供達とその地の魅力をピックアップし,Scratchを使ってそれを紹介するクイズゲームを作ります。
第2ステージでは,各地を遠隔コミュニケーションシステムを使って繋ぎ,リアルタイムでお互いのクイズゲームを紹介しあって交流を行います。

 

2019/12/01(日),まず一番最初のワークショップを網走市で開催しました。会場は「オホーツク・文化交流センター」(愛称:エコーセンター2000)。参加してくれるのは,あばしり学の「ロセトコース」で地域についての学びに取り組んでいる小学4・5年生の6名。これに,ボランティアでこの活動を支えている「学生HERO'S」の網走市の高校生がサポート役として参加してくれました。

スタッフは網走市教育委員会の担当の方々,そして北海道科学大学から私を含め教員3名と,当ゼミの学生2名が務めます。また今回,雪嶺会(北科大同窓会)網走支部から3名が応援に来てくださいました。さらに高校ボランティア部の顧問の先生が付き添いで,また小学校の先生や保護者の方も見学にきてくださいました。

 

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私達教員3名(梶谷先生,小島先生)とゼミ生2名(武部君,田代君)は前日 11/30(土)に網走入り。会場のエコーセンター2000で,教育委の鈴木さん,津田さん,吉村センター長と打ち合わせと会場設営・準備を行いました。その後,雪嶺会網走支部事務局長の加藤さんを交え,食事をしながらの懇親を深めました。

 

翌日 12/1(日),ワークショップ開催。私達は 9:00過ぎに会場入りし,直前の打ち合わせと準備作業。9:30頃には学生HERO'Sの高校生10名が到着し,彼らを交えての打ち合わせ,この日のパソコンの使い方のレクチャーを行いました。

 

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10:30過ぎ,予定よりもちょっと遅れてですが参加者全員が集合。小学生にはひとりずつ寄り添ってサポートするために,各ひとりに高校生のお兄さんかお姉さんひとりが付いて座ります。教育委の鈴木さんの司会でワークショップスタート。簡単な挨拶の後,特命を受けたHERO'Sの2名の司会により,自己紹介を行いました。今回の自己紹介では,司会2人による発案で,名前,学年,自分の考える網走の自慢できるところ,そしてポッキーとトッポのどちらが好きか(笑)を話すことに。順番に参加者全員が語っていきます。

 

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これで充分すぎるくらいに会場が温まったところで,11:06頃,ここからは私(木村尚)が進行役を務め,まずは今日のミッションが

『あばしりの魅力(みりょく)を

 知ってもらうための
 じぶんオリジナルの

 クイズゲーム作品を作る!』

であることを説明。次いで,現代社会におけるプログラムの役割,プログラミング教育がなぜ必要かについて,彼らに向けて簡単な解説を行いました。

そしていよいよ,まずはパソコンの基本操作から始め,パソコンを実際に使いながら,Scratchでの基本的なプログラム作成・実行方法について,スプライト(Scratchでのキャラクターのこと)を様々に動かしたり喋らせたりして学んで行きます。

 

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ひと通り使い方がわかったところで,まずはごくシンプルな3択クイズ問題を作るために,問題文と選択肢を高校生のお兄さん・お姉さんと相談しながら考えてもらいます。
皆の問題文が決まったあたりで,実際にクイズゲームを作っていきます。私が実際のプログラム作成の手順例をプロジェクタに示しながら,皆さんに基本的には真似をしてもらいつつ,しかし自分の好きなスプライト(キャラクター)を使って,メインキャラクターが問題を話し(画面上で吹き出しに書く……ということですが),サブキャラクターが正解を含む選択肢を話す。各キャラクターをクリックしたときの反応を,自分の好きなように設定する……というプログラムを作っていきます。
 

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ひとまず動作する,骨格となるプログラムができたところで昼食タイム。小学生,高校生,スタッフの全員で3テーブルに別れ,雑談をしながら弁当を食べました。

 

さて 13:05くらいに午後の部を開始。まずは午前中に作ったシンプル3択クイズゲームに効果音やキャラクターの動き,背景を,例を見せ,各自で自由に付けてもらいました。全員がこのプログラムを完成させたところで,お互いの作品を見せ合いっこをしました。さらにプログラムの保存方法,共有方法について説明し,お互いの作品の共有も行えるようにしました。

 


地域共創プログラミングワークショップ ステージ1<網走会場>


そして 14:02頃,いよいよ本番のミッションに取り掛かります。まずはクイズにすることを考えずに,網走の特長や魅力的なところを,各自で付箋紙にどんどん書き出してもらいます。子供によってはひとりで20枚以上書く子もいました。これはすごい! さすが1年間あばしり学に取り組んできた成果です。
次に,寄り添いのお兄さん・お姉さんと相談しながら,書き出した内からクイズになるネタをピックアップし,問題文を作成する作業をしてもらいます。実は私としてはここが今日の一番の反省点です。付箋に書き出すところで会場はかなり熱が入って盛り上がり,ちょっとここで満足してしまった子たちが多かった感触。そのために,次のクイズ作りの過程に会場としてスムーズに移行できなかったように思います。ここは指示の方法や,クイズ作りにもっとスムーズに取り掛かれるうな仕組みをあらかじめ用意しておいた方が良いかと考えています。

とはいえ14:40頃,ここから1回目に作ったプログラムを参考にしながら,網走の魅力を知ってもらうためのクイズゲームの仕上げに取り掛かります。HERO'Sのお兄さん・お姉さん,そしてスタッフのサポートにより,15:05頃にはミッション完了。クイズゲームが出来上がってきました。

残念ながら全員ではなかったのですが,惜しくも完成に至れなかった子,また完成した子についても,家に帰ってから完成に向けての作業をしたり,あるいは一旦できた作品をさらにブラッシュアップしたり,あるいは2つ目,3つ目の作品を作るための方法についても,保護者の方へのメッセージも添えた資料を渡し,説明を行いました。

ここでまた,お互いの作品を見せ合い,保存,共有を行って,プログラミングは終了です。

 

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次に,あばしり学ロセトコースの取り組みとして,小学生と学生HERO'Sのお兄さん・お姉さん全員,今日の活動を通して改めて気づいた網走の魅力をひとり1枚のA3用紙に書き,先とは違う2名の特命学生HERO'Sの司会により発表会を行いました。皆,生き生きと話してくれる様子が印象的でした。

最後に全員で記念の集合写真を撮って解散。

私達はスタッフ,高校生のHERO'Sメンバーのみなさんと一緒に会場の片付けを行い,帰札しました。

 

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今回,いくつかの反省点はあったものの,これらは今後に向けての参考になる良い機会になったと受け止めています。参加してくれた小学生の皆さんのアンケートを見ても,全員が「とても楽しかった」と回答してくれていました。また,サポートしてくれた高校生やゼミ生からのアンケート回答を見ても,彼らにとっても良い経験になったことが伺えます。
これらを見ても,今回の網走でのワークショップは,初回としては大成功だったと言って良いのではないかと感じています。

 

参加してくれた小学生の皆さん,保護者の皆さん,また学生HERO'Sの高校生の皆さん,今回の企画を一緒に進めて頂いた網走市教育委員会社会教育課の方々,また応援協力してくださった雪嶺会網走支部の方々,同行してサポートに当たってくださった先生方,ゼミ生お二人,今回の成功は皆さんのお陰です。心より感謝申し上げます。

 

この「地域共創ワークショップ」は,次は猿払,その後は札幌で開催する予定です。また今後,第2ステージの実施に続きます。さらにまた,このような取り組みは次年度に向けても継続して実施していくつもりです。

皆様,是非応援とご協力を頂けると幸いです。

 

 

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